L.R.Baggs Anthemのマイクゲイン調整

2023年04月25日


先日スタジオで音を出した際に、
ピックアタックの音が
出すぎてるのが気になりました。



気になってるのは
キャンキャンと鳴ってる耳障りな部分。

問題の部分はピックアップのバランスを
ピエゾ側に設定すると拾わない事から
原因は恐らくマイクっぽい。

気になってる音の周波数を
EQで下げるという手もありますが、
それは根本的な解決ではないと思うので、
マイクゲインの設定を見直しました。

img-230425.jpg

付属の専用工具もしくは精密ドライバーでいじる
ネジ型のコントローラーの部分です。

通常のAnthemやSLだと
サウンドホールのコントローラ部分に付いてますが、
StageProは電池ボックスを開けた中に付いてます。


問題のピックアタックの音を確認するため、
マイク全振り設定での出音を
スペクトラムアナライザにて計測。

img-230425_02_before.jpg

私が使ってるRMEのアナライザ
これ以上表示を細かくは出来ないので
大まかな計測ではありますが、
上記画像の4khzか6.3khz辺りのどちらかと推定。

先ずはマイクゲインを限界まで下げてみます。

■マイクゲイン MIN

img-230425_03_min.jpg

マイクゲインを下げると、
マイクが拾ってる周波数帯が全体的に下がります。

Anthemのマイクが受け持つ帯域は、
公式で250hz以上とアナウンスされてますが、
800hz以下はマイクゲインを下げても
あまり変化しませんでしたので、
実際はその辺から上の帯域を拾ってるのでしょうか。

ゲインを下げると耳障りだった部分も
少しはレベルが下がりはしましたが、
結果はそこだけぽっこりと突き出す形に。

出音を聞いてもやはり
耳障りな部分が余計に目立って厳しい。


次にマイクゲインを上げてみます。

■マイクゲイン MAX

img-230425_04_max.jpg

どうやらレベルが頭打ちになるようで、
ゲインを上げると出すぎてた周波数帯に対して、
周囲の周波数帯が追いついてくる。
コンプが付いてるのかそれとも若干歪んでるのか。

いずれにせよ耳障りだったピックアタック音は
これですこし目立たなくなりました。




このAnthemのマイクゲインの設定については、
私は取付けたばかりの頃に、
思った以上にピエゾの音が強い印象だったので、
早々とをいじってしまってましたが、
出荷時の状態がメーカーが推奨する位置という話を
どこかで見かけた記憶もあります。
(※真偽は分かりません)

その為今回はゲインの上げすぎが
問題なのではとばかり思ってたので、
逆にゲインを更に上げて問題が緩和されたのが
実は少し腑に落ちない部分だったりしてます。

「誰か正解を教えてくれ」と言いたい気分ですが、
とりあえずは解決です。

[関連記事]
L.R.Baggs Anthemのボリュームコントロール
L.R.Baggs Anthem StageProのEQ設定
L.R.Baggs Anthem StageProレビュー(サウンド編)
L.R.Baggs Anthem StageProレビュー(導入編)

L.R.Baggs Anthem StageProのEQ設定

2023年04月17日

L.R.Baggs Anthem StageProは、
Anthem(ピックアップ)に手元で音作りできる
簡易的なコントローラーが付いたモデルです。

img-230417-01.jpg

EQはBASSとTREBLEの二種類が付いてます。

これにより通常のAnthemよりも
多少は音作りの幅があるのですが、
先日ライブをしたときにPAさんから
「中域を上げれませんか?」と言われ、
この二種類のEQだとどうしようもなくて困ったので、
BASSとTREBLEが受け持つ帯域を確認しておこうと、
スペクトラムアナライザーで計測しました。


計測結果

BASS:200hz以下
TREBLE:2khz以上


どちらを動かしても中域への影響はほぼなしでした。
故に中域を出したいときは
両方のスライダーを下げれば大丈夫です。

正直800hzあたりがBASSとTREBLEの境になってると
勝手に思い込んでたので意外でした。


センター位置がフラットではない

Anthem StageProのEQのスライダーは、
一般的なEQと同様にセンター位置で合わせると
カチッと音がして止まります。
通常のEQはそれがフラット位置なので、
これもセンターがフラットと認識してましたが、
実際の出音を計測するとドンシャリ気味でした。

取付けたギターや取付け方法によっての
差異もあるのかなという気もしますが、
今取付けてるギターの生音が
ドンシャリ傾向という事はないので、
コントローラーの回路側の癖が強い気がします。


計測時の画像と音源

解放弦で計測した方が分かりやすい気がしたので、
オープンGのストロークで計測。
チューニングが適当なのはご容赦を。

結果としてはBASS / TREBLEの両方を
全カット位置でフラット気味の出音になりました。
回路図が出回ってるわけではないので、
電気的にはどうなってるのかは分かりませんが、
EQというよりはブースターと考えた方が良さそう。

[EQセンター位置]
img-230417-02.jpg




[EQ全カット]
img-230417-03.jpg



こうして視覚化して比較すると、
やはりセンター位置設定は
中々ドンシャリなサウンドです。

PCモニターや携帯で聞いた場合においては、
前者のドンシャリサウンドの方がブライトな音なので、
好みだという方もいるかもしれません。

私も練習時等の低音量での使用だと
自分の耳にはギターからの生音とラインの音の両方が
ブレンドされて届いてる事もあり、
このドンシャリ感が逆に気持ちよかったりして、
「良いピックアップは違うな」ぐらいに思ってました。

ともあれ今までセンター位置のEQを基準に音作りしてて、
どうにも腑に落ちないところがありましたが
これでようやくスッキリいたしました。

Anthem StageProを使われてる方はご参考まで。


※追記(2023/04/25)
img-230417_sup.jpg
マニュアルを確認してみたら、
電気的には一応EQとして機能してるようです。

BASSのEQは実測では200hzあたりから効いてましたが
80hzが中心周波数っぽい。


[関連記事]
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DAW環境の周波数特性の計測

2023年04月11日


img-230411_01.jpg

キャリブレーションになるんでしょうか。
計測だけで調整を含むわけではないので、
厳密にはキャリブレーションでは無い気もしますが、
前記時でも予告してましたが、
ルーパー使用してピンクノイズを再生し、
手持ちの機器の周波数特性を検証してみました。

【方法】
img-230411_02.jpg
まずPCでピンクノイズを再生し、
再生音をスペクトラムアナライザーで計測つつ
オーディオI/F出力からルーパーで録音。

img-230411_03.jpg
そして接続を変更し、
ルーパーのアウトからオーディオI/Fの入力にいれ
スペクトラムアナライザーで計測。


【結果】
レベルはルーパー側のボリュームで上げてますが、
周波数特性は双方とも横一列に近い形に収まりました。

■PC再生音の計測値
img-230404_02_pink.jpg

■ルーパー再生/PC入力の計測値

img-230411_04.jpg

微弱ながらハイとローが落ちてる傾向はありますが、
この程度の誤差ならば十分だと個人的には思いたい。

流石にこの微弱なハイ/ロー落ちの原因までは
ルーパーをノイズジェネレーターとして利用した
簡易測定なのでわかりません。

オーディオI/Fの入力や出力の問題なのか、
それともシールドやルーパーの特性なのか。


ともあれ今回この方法が
ある程度使える事が確認が出来ましたので、
今後はルーパーとオーディオI/Fの間に
エフェクターなどを挟めば、
それらの周波数特性も計測できます。

DIの癖やら音痩せが問題視されてるペダルなど、
周波数特性が気になる機材がいくつかあるので、
しばらく計測ネタの記事が増えるかもしれません。

RME DIGICheckでホワイト/ピンクノイズの計測

2023年04月04日


RMEのオーディオ解析アプリである
DIGICheckでホワイトノイズとピンクノイズを計測しました。

■ホワイトノイズ
各周波数の音を同じ強さでミックスして再生した音

■ピンクノイズ
高周波になるにつれて強さを下げて再生した音

ホワイトノイズは全ての周波数帯のレベルが均一の音。
ピンクノイズは、音は波なので周波数が倍になると、
押し寄せる波(信号)の量が倍になるので
その分のレベルを周波数ごとに調整したのがピンクノイズ。
という説明で合ってますでしょうか?

私も説明できるほど詳しくないですし、
そういう趣旨のブログではないので専門的な話は控えます。


【計測結果】

img-230404_01_white.jpg
ホワイトノイズ

img-230404_02_pink.jpg
ピンクノイズ

ノイズの音源データは
ネットでダウンロードさせて頂いたものですが、
きちんとホワイトノイズが右肩上がり。
ピンクノイズはフラット(平坦)な感じで、
理論値に近い結果になってくれました。

スペクトラムアナライザ―によっては、
ホワイトノイズでフラットになるように
設定で調整できたりするみたいですが、
DIGICheckのスペアナ機能では
そういう設定項目は見当たりませんでした。
(※私が探せてないだけかもです。)

とりあえずピンクノイズで
フラットな表示になってくれれば問題ないです。


計測結果が問題ないと分かったところで、
今後についてはルーパーにピンクノイズを録音して
エフェクターペダルなどの音響特性を
スペクトラムアナライザで計測して
視覚化できないかなと考えてます。

img-230404_03.jpg

一度やってみない事には断言できないので、
まだお約束はできませんが、
上手くいけば色んなものを計測出来ます。