BodyRez VS Session

2023年05月09日

エレアコの音を生っぽくするペダル
TC ELECTRONICのBodyRez
L.R.BAGGSのSessionの2種を比較します。

img-230509_01.jpg

先ずはTCのBodyRezです。
基本的にはエンハンサーという事なので
歪の原理で倍音を強調してくれてるのかなと思います。
また倍音の強調エフェクトと合わせて
マイク録りしたアコースティックギターの音のような
ドンシャリ傾向の周波数特性に補正します。
摘まみを上げると高/低域を持ち上げつつ、
中域を抑えるような動きをします。

対してL.R.BAGGSのSessionですが、
こちらはsaturateとcomp eqのノブがあります。
saturateに関してはその名の通り
歪ませて倍音を強調してるのかなとは思います。
具体的な仕組みまではわかりませんが、
エンハンサーであるBodyRezと
似たような原理なのかなと予想してます。
こちらも周波数特性はドンシャリ傾向に補正されますが、
「saturate」を上げると低域が、
「comp eq」を上げると高域が上がりますので、
ワンノブのBodyRezより少し自由度が高いです。

両者とも倍音成分を持ち上げる効果と併せて
中域が突出しがちなエレアコのサウンドを
生のギターをマイキングした音に
EQ処理で寄せてるような挙動です。
故にギター本体のプリアンプにミッドカットの機能や
モデリング系のエフェクトが内蔵される場合は、
気を付けないと極端なドンシャリになります。


サウンド比較(1)

まずはアンダーサドルタイプの
ピエゾにかけた場合の音の変化をみてみます。

私のギターに付けてるピックアップは、
そもそもがドンシャリ気味のサウンドで、
中域が突出したようなセッティングにはできませんので
今回はフラット気味のセッティングで比較しました。


【エフェクトなし】
img-230509_02.jpg




【TC ELECTRONIC BodyRez】
img-230509_04_rez.jpg



img-230509_03.jpg

(※ペダルのセッティングは画像参照)


【L.R.BAGGS Session】
img-230509_06_se.jpg



img-230509_05.jpg
(※ペダルのセッティングは画像参照)



BodyRezもSessionも煌びやかなサウンドになり、
どちらも近い方向性のサウンドではありますが、
BodyRezはワンノブで高/低域が一緒に動きます。
しかしマイキングしたアコースティックギターの音は、
少しドンが強めのドンシャリです。

img-230509_07.jpg

低域が強めのギターであればバランス的に
BodyRezの周波数特性は合うんじゃないかと思いましたが、
今回のようなフラット目の出音にかけると、
上の図のようにハイ上がり気味の音になりますので、
可能であれば手元のプリアンプ等で調整するのが良さそう。

次にSessionについてです。
Sessionは高/低域別々に調整できますので
その辺はギターに合わせて融通がききます。
しかしこちらは中域を抑えるような効果はありませんので、
中域が出すぎてるギターには向かない気がします。



サウンド比較(2)

先の比較とは逆にギター側で音を作り込み、
エフェクター側をフラット気味にセッティングした音で比較。

こちらは作り込んだ音に対する効果を見るため、
ピックアップ側のセッティングは
マイク/ピエゾのバランスをセンター位置で計測しました。

各ペダルのフラット設定は
スペクトラムアナライザーを用いて
ピンクノイズで計測して割出してます。
BodyRezは摘まみゼロ、
Sessionはsaturateが11時前後/comp eqゼロあたりで
ほぼフラットな出音
になります。

この使い方であれば、
ギター側のプリアンプのミッドカット機能や
モデリング系の内臓エフェクトとも併用出来ます。


【エフェクトなし】
img-230509_08.jpg




【TC ELECTRONIC BodyRez(フラットセッティング)】
img-230509_09_rez.jpg




【L.R.BAGGS Session(フラットセッティング)】

img-230509_10_se.jpg




BodyRezはフラットセッティングだと
出音の印象はエフェクトなしと殆ど変りませんが、
20Khz以上あたりと50hz以下が若干ですが下がりますので、
僅かですが音が締まった感じになります。

Sessionの方はフラットセッティングでも
倍音が少し付加された感じが出てくれました。
音源はピークを合わせるためにノーマライズしてますが、
その際に若干ながら全体的に持ち上がった感じがありますので、
もしかするとコンプの効果も効いてるのかもしれません。
またBodyRezについても若干のコンプ感はあるようで、
突き出した帯域がまとまる傾向にあります。



まとめ

出音に多少の違いはあれど
音の方向性はどちらも似たような印象です。
基本的には所持してるギターの特性に合わせて
使いやすい方を選ぶのが良い気がします。

私の見解ではありますが、
出音が中低域寄りのギターであればBodyRez、
フラット気味のギターであればSessionでしょうか。

どちらのペダルも倍音の強調だけでなく
EQ処理は施されてしまうので、
倍音を強調してくれるだけで良いという場合は、
通常のエンハンサーを使った方が良いのかもしれません。
ドンシャリ方向に音が変るという事は、
中域が埋もれていくという事でもあり、
音自体はか細くなっていきますので、
アルペジオメインの方などは特に注意が必要です。


今回の検証ではL.R.BAGGS Sessionは、
Session DIではなく単体ペダルを使用してます。
恐らくSession DIも同様だとは思いますが、
そこは検証できるものが手元にないので、
あえて記事中では触れてませんのでご了承ください。




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