ギターアンプのフラットセッティング

2023年07月03日


フェンダーアンプのフラットセッティングが、
BASS 0 / MIDDLE 10 / TREBLE 0という話があります。

「フェンダーアンプ フラット」あたりで検索すると
沢山のサイトが出てくるのですが、
以前回路図を用いて説明したこともありますが、
フェンダーアンプのEQ回路は基本的にパッシブ回路で
ブースト機能は付いてないので、
BASS/TREBLE全カットでフラットと言うのが、
個人的にはどうも腑に落ちない。

その理由については
何となく予想してたものもありましたが、
今回はギターアンプのフラットについて、
周波数特性を計って検証いたしました。



エレキギターの周波数特性

ギターアンプはエレキギターを繋ぐものなので、
アンプの前にエレキギターの周波数特性の話です。

まずはギターからオーディオI/Fに
直接繋いだ音をスペクトラムアナライザで計測。

[シングルコイル]
img-230704_01.jpg

[ハムバッカー]
img-230704_02.jpg

計測は開放弦を鳴らしたときのものです。

エレキギターの周波数特性は、
基本的には中域(MIDDLE)が飛び出した形になってます。
俗にいう「かまぼこ型」と呼ばれる周波数特性です。
シングルコイルよりもハムバッカーの方がその傾向は強いです。



ギターアンプの周波数特性

そしてギターアンプの周波数特性です。

img-230704_03.JPG

私が所持してたフェンダーアンプは
随分昔に手放してしまったので、
使用したのはマーシャルではありますが、
ギターアンプ実機の周波数特性を
ピンクノイズを用いて計測ました。

セッティングはEQバイパス設定にて計測。
バイパス設定はフェンダーアンプをはじめとする
パッシブ回路のEQコントロールを持つアンプであればオール10、
アクティブ回路のアンプであればオール5です。

img-230704_04.jpg

BASSとTREBLEが突き出した
ドンシャリ気味の周波数特性になります。
全てのギターアンプを把握してるわけではありませんが、
多くのギターアンプはこういった特性になってると思います。



足し算の法則

結局のところ殆どのギターアンプは、
エレキギターのかまぼこ型の周波数特性を補正するため、
イコライザー回路をバイパスした状態で
ドンシャリ気味になるように設計されてるものと思います。

ドンシャリ(アンプ)+かまぼこ(ギター)=フラット(出音)


こんな方程式です。

故に「BASS 0 / MIDDLE 10 / TREBLE 0」の設定は
確かにアンプとしてはフラット気味の特性になりますが、
ギターがかまぼこ型なので出音はフラットにはなりません。
ピックアップの素の音に近いサウンドになるはずです。

このセッティングからの音作りを
薦めるコンテンツ(動画やブログ)を
目にする事も多々ありますが、
最終的なサウンドが見えてる上級者ならともかく
この方法は初心者には難しい気がします。

ギターも含めた出音のフラットの出し方は、
アンプとギターの組み合わせにもよるので、
一概にこうだというやり方がないのが、
ややっこしい所ではありますが。

考え方もやり方も人それぞれでだと思うので、
何が正しいという話ではありませんが、
私はエレキギターに関して言えば、
ギターからアンプまで含めて1つの楽器だという観点から、
アンプだけをフラットにする必要性はないと考えてます。


MOOER Micro PreAMP 009

2022年11月22日

MOOERから発売されてるMicro PreAMPシリーズ。
結構色んな種類が出てますが、
その中の「009」はリッチー・ブラックモアのシグネチャーモデルである
ENGL E650(Ritchie Blackmore Signature)のアンプシミュとの事。

リッチー・ブラックモアは私が敬愛するギターリストの一人で、
学生の頃はずっと「あんな音が出したい!」と思ってました。

Micro PreAMP 009は私が憧れてきた
Deep Purple/Rainbow時代のサウンドではなく、
現在のブラックモアサウンドではあるのですが、
それでも手のひらサイズでブラックモアの音が手に入るのは嬉しい。

それで今回「Micro PreAMP 009」を購入しましたので、
こちらのレビュー記事です。

img221122-01.JPG

まずは価格です。
13,000円前後で売られてる事が多いです。(※2022/11現在)

一台買ってみる分には高くはありませんが、
Micro PreAMPシリーズ10台分の価格で、
それ以上の数のアンプモデルが搭載された
立派なアンシミュも買えますので、
コストパフォーマンス的にはあまり良くないかもしれません。

しかしMicro PreAMPシリーズは
アンプモデルをいくつも切替えて使う人でなければ
1台に1つのアンプモデルなので必要なものだけチョイスできる事と、
このサイズでアンシミュが使えるのがメリットだと思います。


操作方法を見ていきます。

■操作
コントロール系はVol(MASTER) / GAIN / TRE / MID / BASSの5つ。
近年、摘まみの多いアンプが多いので、
個人的にはこれぐらいが安心します。
ちなみにE650の実機はPRESENCEがついてるので、
実機よりひとつコントロールが少ないです。

img221122-02.JPG

筐体にプリントされてる柄的に横置きに見えますが、
摘まみは縦から見て12時が真ん中です。

チャンネルはクリーン/ドライブの独立2chでChボタンで切替えできます。
切替えの際セッティングが保存されるので、
チャンネル切替え後に色々といじっても、
切替え前のチャンネルに戻すと摘まみの位置とは関係なく
先の設定が呼び出される感じです。

また、スピーカーシミュが内蔵されており、
Chボタンの長押しでON/OFFが選べます。
(※ChボタンのLEDが点滅でスピーカーシミュON)
ON/OFFのみでマイキングなど細かいセッティングはできません。

フットスイッチはON/OFFとチャンネル切替えの2種類の動きをします。
スイッチの動作モードは長押しで切替えれます。


■サウンド

ENGLアンプの音って多少楽器店で試奏したことがあるぐらいなので、
実際のところ語れるほど良く解っているわけではないのですが、
何となく私は改造マーシャル的なサウンドの印象を持っており、
Micro PreAMP 009のサウンドについてもそれに準ずる音でした。

以下のサンプル音源は
[ギター]→[Micro PreAMP 009]→[オーディオI/F]で録ってます。
スピーカーシミュレータはペダル内臓のものを使用。
DAW上でリバーブを軽くかけてますが他は未編集です。
(※ペダルの摘まみのセッティングは上記写真を参考にしてください。)

ブラックモアモデルなので先ずはストラトから。

【ドライブ(ストラト)】


【クリーン(ストラト)】

ドライブchは結構ブラックモアっぽさがある気がしてます。
PurpleやRainbowのカバーがやりたくなる音です。

クリーンについては特徴がないクリーントーンというか、
この特徴のなさがある意味マーシャルっぽいなという印象です。
マーシャルと言っても色んな種類がありますので一概には言えませんが、
私のMarshall JMP-1のクリーンチャンネルに近い感じの音です。


【ドライブ(リアハム-Ibanez)】


同じセッティングでハム系のギター(Ibanez)で出した音。
90年代のHM/HR系のサウンドっぽい感じでハムにもよく合う音でした。
リッチー・ブラックモアシグネチャーといっても、
ストラトだけではなく結構幅広く使えます。

コンプレッション感のある歪み方をするので、
速弾きやタッピングをする方でも使いやすいと思います。


■まとめ
これが実機にどれぐらい似てるかが解らないのが辛いところですが、
ブラックモアっぽいニュアンスは上手い事出てるように思います。
レイテンシーも気にならない程度で抑えられててますし、
なにより音にアナログっぽいラフさがある気がして、
良いアンプシミュレーターペダルだなと思いました。
機会があれば、他の機種も試してみたいです。

ちょっと問題だったのは消費電力。
DC9V/300mA仕様でなかなか電気を食います。

近年は消費電力量多めのエフェクターが多いので、
大した問題ではないのかもしれませんが、
私の手持ちのエフェクター用9Vアダプターは
旧型ばかりだったので全て最大が200mAまでで全滅。

仕方ないので今回はZoomのMTR用のアダプターを使いました。

img221122-03.JPG


それと音には関係ない話ではありますが、
筐体のサイドにBlacknightと表記が入ってます。
これが正直なところ要らない気もするけれど、
地味にテンションが上がりそうな気もして複雑な気分になります。

img221122-04.JPG


最後にMOOER Micro PreAMP 009のサウンドでオケにのせてみました。
こちらも先の音源と同様セッティングは変えずそのまま録音し。
2ミックスにした後にミックス用のプリセットでコンプだけ通しました。




また、以前同じアンプをモデリングした
Amplitube版のENGL Ritchie Blackmore Signature(E650)も
購入してレビューしてますので比較すると面白いです。

・Amplitube3/ENGL E650
https://shima-sound.seesaa.net/article/410993273.html

リンク先記事は随分昔に書いた記事ですが、
なんでリッチー・ブラックモアだから「フルアップ」という
安直なセッティングでサンプル音源を作ってたのが、比較対象にしにくく、
今思えば失敗した気がして後悔してます。

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Amplitube3/ENGL E650

2014年12月20日

久々の更新になってしまいました。
毎度の事ながらマイペースで申し訳ない。

今回はAmplitube3のモデリングアンプに、
リッチー・ブラックモアシグネチャーモデルである
『ANGL E650』が加わりましたので、
それのレビューです。

最近、iOSのシミュレータばかりいじってたので
私は今まで気がつかなかったのですが、
今年の春ぐらいにはラインナップされてたらしいので、
知ってる方も多いかもしれません。

img 141220 amplitube ENGL E650


3年ほど前にもamplitubeのモデリングで、
ENGLのアンプが出たことがあり、
一度レビューはしたものの
あの時はPowerballでしたので、
リッチー・ブラックモアフリークの私としては、
今回のE650の方が本命。

そもそも、なぜENGLに興味が出たかというのも、
単純にリッチーの影響で、
何ゆえにマーシャルの顔だったリッチーが、
ENGLに乗り換えたかが気になっての事でした。

勝手な私の推測ではありますが、
多分深い意味などなくて、
ドイツに移住したから
本社がドイツにあるENGLの方が、
都合が良かっただけなのではという気もします。

もちろん、リッチーがOKを出すだけの
クオリティがあっての事でしょうが。

肝心のレビューの方ですが、
今回も実機との比較は出来ません。
福岡にはENGL置いてる楽器店が少ない上に、
E650なんて滅多にお目にかかれないので。
以下はあくまでもAmplitube版のレビューです。

最初に音を出してみた感じでは、
Mastar Vol付きのMarshall JCM800の
GAINを少し上げてやったぐらいの印象。

近年のモダンハイゲインアンプと比較すると、
若干抑え目の歪み方ですが、
パンチもあってコシもあってボトムもしっかりしてますので、
ブースターありきで考えるならば、
結構オールマイティに使えそうです、

次はサウンドサンプルです。

【セッティング】

リッチーがE650を、
どんなセッティングにしてるかは知りませんし、
またMarshallを使っていた頃も諸説あり、
どれが正解か真相がまるでわからないので、
とりあえずMarshall時代の一説『フルアップ』で。

理由は、なんとなくカッコいいからと書けば、
少しリッチーっぽいでしょうか。
チャンネルはHiGainチャンネルでLEADはOFF。

ギターはオーディオI/F直です。

img 141220 amplitube ENGL E650

マイキングはノイマン U87は使わず、57一本。
スピーカーど真ん中を離し気味で。

img 141220 amplitube ENGL E650


【サウンドサンプル】





フルアップなどという、
でたらめな使い方をしてるので、
S/N比は少しおかしい気もするが、
音質的には満足してます。

当然、一言でリッチーの音といっても、
時代によって変化してるわけですが、
どこか一貫してる部分もある気がして、
そこは上手く再現されてるように感じてます。

サンプル音源でのギターは
ストラトを使ってますが、
私のストラトはアッシュボディですし、
PUもホットノイズレスなので、
リッチーの仕様からは離れてますが、
なんとなくニュアンスは出たのではないかと。


【最後に】
円安のおかげで、
海外製のアンプモデルを、
気軽に買えなくなっちゃったところもありますが、
ピンポイントでリッチー・ブラックモアの
シグネチャーモデルを作ってくれた、
IK Multimediaさんは素晴らしいの一言。

思えばENGLのアンプモデリングも、
晴れてメーカーからロゴの仕様許可が下りたようで、
以前はANGERという良くわからないアンプ名だった
Power ballのモデリングも、
アップデートでANGLに変更されてました。

img 141220 amplitube ENGL E650


音は変わらないかもしれませんが、
使ってる方としてはやっぱりこっちの方が嬉しい。

Amplitube3 Modern tube lead

2013年10月11日

ちょっと間が空いてしまいましたが、
前記事で少し触れてたAmplitube 3のModern tube lead、
所謂『Mesa/Boogie Dual Rectifier』のモデリングデータのレビューです。

本当は無料配信中に記事にしたかったのですが、
なかなか手が開けれず今になってようやくまとめ。

使ってみた感想ですが、
『レクチってこんな音だったっけ?』というような、
モッサリしたサウンドで、あまりザクザクこないです。
歪みも若干控えめ。

img 131011-01

(※セッティングは画像参照)


そのモッサリ感ですが、
色々と試した結果、ブースターを間に入れると、
モッサリ感が取れてまさしくレクチなサウンドになります。

img 131011-02



こちらは結構音がブライトなので、
ブースターなしの音源よりもBASSを上げてPresenceを下げてます。
GAINも少し控えめ。

今回、試したブースターはBOSS SD-1ですが、
電源OFFで繋ぐだけで随分とモッサリした感じは取れましたので、
ブースターでなくとも、 間にバッファアンプをかますと、
良い感じになりそうです。

img 131011-03

まとめとしては、
ブースターありきで考えるなら、
スラッシュでもハードコアでもかかってこい!という、
ご機嫌なサウンドで鳴ってくれますので、
使えないモデリングとまではいわないものの、
期間限定とはいえ、無料で配信したあたり、
もしかすると、逆にその辺が理由で、
あまり評判が良くなかったのかもしれません。

Amplitubeの場合、他のモデリングが優秀なだけに、
これはちょっと惜しい気がします。


YoutubeにEleven RackとAmplitubeのDual Rectifierモデリングを、
比較した映像を見つけたのでちょっとお借りしてきました。



実機の音と実際に比較したわけではないので、
実音ではなく、あくまでもイメージだけで判断すると、
Eleven Rackの方が実機のイメージに近い気がします。
この映像でもやっぱりAmplitubeの方は
どこかモッサリしたイメージのサウンドです。



記事を投下してない間に、
モデリングデータをあといくつか購入した事もあり、
もうしばらくamplitubeの記事が続きます。



Amplitubeの無料配信データのDLを試みるも・・・

2013年09月11日

AmpliTube Custom Shopで、
Mesa/Boogie Dual Rectifierのモデリングデータと、
4x12 Closed Modern 2キャビネットを、
9月限定で無料配信中との事だったので、
AmpliTube Custom Shopを立ち上げて、
早速ダウンロードボタンを押す。

その際に英語で『Custom Shopのバージョンが古いです』的な
メッセージが表示されたので、
現在入ってるCustom Shopをアンインストールして、
IKのサイトから最新のCustom Shopを持ってきて、
インストールし直すけれどもやっぱり同じようなメッセージが出る。

おかしいと思って、色々と見ていたら、
AmpliTubeが3.11から3.11.1にアップデートされてました。

どうもCustom Shopではなく、
AmpliTube本体をアップデートしないといけないようで、
どうにも表示されたエラーメッセージが紛らわしい。


Amplitube 3のインストール内容は、
Amplitube本体とCustom Shop、
そしてオーサライズアプリのパッケージなので、
アンインストールするときは複数のアプリを消す必要があり、
ちょっと面倒だと感じて、思い切って上書きインストール。

すると「既存のデータと置き換えますか?」という旨の
メッセージが表示されたので、
そのまま“OK”してインストール完了。


ともあれこれで、無事に無料配布中のアンプモデルが使えました。
そのアンプモデルのレビューについては、
次回の記事にでもしようと思ってます。
Amplitube 3.11.1についても、
別途レビュー記事の方を準備中です。



ランディ・ローズへの挑戦・再び【2】

2012年06月14日

前記事からの続きで、
今回はそのランディ・ローズサウンドのセッティング詳細です。


■アンプモデル/
British Tube Lead1(JCM800)


Amplitube JCM800
(※クリックで拡大)

EQフルアップのゲインは少なめです。
マスターは適当で良いと思うのですが、
Amplitubeがパワー管の歪まで
シミュレートしてくれてるかどうかが解らないのですが、
念のため全開にしました。

※オーディオI/Fの入力レベルの調整で
ガラッと音が変わるので気をつけてください。
ピークが点灯しない程度でできるだけ大きなレベルになるように調整。


■スピーカーモデル/■マイクモデル
4x12 Closed Vintage 1 (Marshall Angled, '70s Greenbacks)
SENNHEISER MD421/SHURE SM57

Amplitube Marshall キャビネット
(※クリックで拡大)

ランディのキャビネットは、
ALTECのものにスピーカーコーンを変えてたそうですし、
またオープンバックなのかクローズドなのかの情報がなかった為
とりあえずはこれで。

MD421はFREE版のAMPLITUBEには搭載されてないので、
別途Ik Multimediaのカスタムショップから購入する必要があります。
(※パッケージ版には入ってるはず・・・確か・・・)
今回は出来る限りオフ気味みで設定してます。

またMD421だけの音だとミッドの音は良いのですが、
ランディサウンドがもつ『ジャリジャリッ』とした感じが出ないので、
こちらも同じくオフ気味で配置したSM57の音を混ぜました。
比率は1:1です。

アンビエントの設定はAmp Closetで狭く深く。
(深いというほど深くはないですが。)


■ブースター
MXR Distortion+


MXR Distortion+
(※クリックで拡大)

実機を使いました。
単体ではあまりハイゲインではないペダルですが、
ドライブの摘みはあまり上げてません。

このアンプのセッティングにかましたら
非常によく歪みました。

とここまで、ギター側のエフェクトとアンプの設定です。


ランディの音のイメージってダブリングした音の印象が強いと思うので、
DAWで録るときに同じパートを2回弾き、左右で定位を別けました。

これで、前記事でアップした音源の音になります。


ギターは私がメインで使ってる
ダンカンカスタムを付けたHEARTFIELD TALONで録ってますが、
さらに、ギターをランディのものに近づけたり、
MXRの10バンドEQで微調整したりすると、
もっと近いサウンドになるように思います。

ともあれ、マイキングだけでココまで近づくってのは盲点でした。
贅沢を言うなら、実機のMarshall 1955RRとMD421でやってみたいものです。



次に、もう少しランディサウンドに近付けてみます。
PA側でやってるであろう処理を少し追加。

1:EQでのローカット処理
2:コンプ処理
3:エンハンサー処理


本当は最低限でまとめたかったので、
コンプまでで終わらせたかったのですが、
どうもランディみたいな前に出てくる音にならなかったので、
ちょっとエンハンサーで音を前に出しました。


やってるフレーズはOzzyの1stの曲ですが、
音的には2ndの音に近い感じです。

もっと突詰めればまだまだいける気もしますが今回はこの辺で。
また、なにか『これは!!』ってのがあったらやるかもしれません。


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ともあれサウンドをいくら近づけても、
ランディの流れるようなプレイにはまるで近づけません。

もうとっくに、生前のランディの年齢を追い越してるんですが、
プレイの方は遥か彼方って感じです。


【前記事】
ランディ・ローズへの挑戦・再び【1】

【関連記事】

ランディ・ローズサウンドに挑戦【1】
ランディ・ローズサウンドに挑戦【2】
MXR Distortion+の音(前編)
MXR Distortion+の音(後編)


ランディ・ローズへの挑戦・再び【1】

2012年06月13日

以前、ランディ・ローズのサウンドを出そうと試み、
記事にした事がありましたが、
今回は、その続きのような記事です。

ランディ・ローズ

先日、SENNHEISERのクジラの後継機であるMD422Uを扱ってて、
このマイク、ミッドに独特の癖があるんですが、
どうもその癖がランディのギターサウンドの癖に似てる気がして、
もしかして・・・と思いAmplitubeを使ってテストしました。
(自宅では実機のマーシャルからのマイキング環境がないので。)

まず、今回やった事をまとめます。

ランディのマーシャルは歪まないとの事なので、 アンプモデルはJCM800モデリングをクランチ程度の歪みの設定にして、MXR Distortion+で歪みは作る。
アンプのEQ設定はランディのインタビュー情報を信じてフルアップ。
マイキングはSENNHEISERのMD421モデリングを使います。
(ランディがMD422を使ってたとは考えにくいですし、それ以前に当時MD422はなかったということ。)

大きくはこんなところでしょうか。


結果


ビンゴ


ランディのレコーディング環境について詳しい事は知らないので、
実際にMD421を使ってたかどうかは定かではありませんが、
なんの苦労もなく、ランディサウンドの特徴を捉えた音が出ます。

今までの苦労は一体なんだったのだろうという感じです。

サンプルサウンドです。



レスポールカスタムもMXR 10バンドEQも使ってませんが、
単純にブースター+アンプとマイキングだけでここまでは近づきました。
DAW上ではなにもいじってません。

ともあれランディの音って、
これよりもさらにミッドに癖がある気がするのですが、
その辺は、もしかするとですがフランジャーを軽く
かけっぱなしにしてたのでは?という気もしないでもないです。

そんなところで、次回記事に続きます。

次回は今回のセッティングの詳細と、
DAWでミックスする際に、ちょっとだけいじって
よりランディサウンドに近づけてみます。


【次記事】
ランディ・ローズへの挑戦・再び【2】

【関連記事】

ランディ・ローズサウンドに挑戦【1】
ランディ・ローズサウンドに挑戦【2】
MXR Distortion+の音(前編)
MXR Distortion+の音(後編)

Fender MUSTANGアンプを試奏しました。

2012年01月30日

大分遅れてアップの記事になりますが、
去年、楽器店に足を運んだときに、
Fenderのモデリングアンプ『Mustang I』を試奏してきました。

店頭での試奏ですので、
そこまでいじり倒したわけではないですが、
音の印象のほうは、かなり良かったです。

【モデリング元アンプ】

・Super-Sonic
・Metall 2000
・American 90s
・British 80s
・British 60s
・ '65 Twin Reverb
・ '59 Bassman
・ '57 Deluxe

モデリングアンプの数は上記8種で、
キャビとかの設定などはできませんが、
これがまた、なかなかデジタルの嫌な部分があまりなく、
かなり弾いてて気持ちが良い音が出ます。
(PCに繋いだらキャビの設定とかもできるんでしょうか?)

特に、57' Deluxeのモデリングアンプでボリュームノブを上げて、
クランチ手前ぐらいのセッティングにしたときの音が気に入り、
結構、長い時間それで弾かせてもらいました。
印象としては太くツヤとハリがあって、
真空管が良い感じであったまった音といったところでしょうか。
57' Deluxeを、そんなセッティングで音を出した事はないので、
似てるか似てないかはよくわかりませんが、
これはこれで良い音だったといったところ。

小音量でも、真空管をドライブさせた音が出せるってのは、
モデリングアンプの一番の利点なんじゃないかと思ったりもします。

モデリング品質については、Ik MultimediaのAmpliTube Fender
良い勝負してるように思います。


ヘッドホンと共通の端子ですが、
スピーカーエミュレートLINE OUTが付いてますので、
ここからオーディオインターフェイスに突っ込んでしまえば、
レコーディングでも使用できそうです。

LINE6のPODにスピーカーが付いたような商品ですが、
個人的にPODのFENDERアンプのモデリングが、
あまり好きではなかったりするので、
これからモデリングアンプを買おうと思ってる方でフェンダーアンプ好きの方は、
一度Mustangを店頭で試してみるのも良いかと思います。

Mustang Iは、実売価格13,000円前後(2011/09現在)という
低価格帯の商品ではありますが、
コストパフォーマンスはかなり良い印象です。

(※写真は楽天ショップへのリンクです。)


ただ、記事中で良い!良い!とは言ったものの、
置き場もないし、もう私は買えませんが・・・。

今一番欲しいもの。

楽器を格納できるスペースと
良いと思った楽器を購入できる財力・・・ですかね。orz

AmpliTube 3/FREE ENGLアンプモジュール

2012年01月09日

あけましておめでとうございます。

新年・・・といっても、気がつけばもう、一月も1/3終わろうとしておりますが、
ともあれ、しばらく休止しておりましたサウンド研究室の方、
復活させていこうかと思います。

今回の記事ですが、先日Amplitube 3/FREE用の追加モジュール
ANGER(ENGLモデリング)を IK Multimedia Custom Shopで購入しました。

Anplitube ENGL

ENGLシミュだから『ANGER』という、 微妙なモデリングアンプ名。
SOLDANOやFENDERのように、
直のブランド名を使用するのは認可が下りなかったっぽいですね。

パネルの見た目から察するに、
おそらくモデリング元となったのはPowerballだと思います。

Powerball

ENGLはフリーでも結構モデリングアンプが出てたりするんですが、
どれも結構いい音を出します。
IK Multimediaの製品版はIK通貨で30クレジットなので日本円で3000円前後。
フリーのものと比べてその3000円に見合った音が出るのか?と言われると、
ぶっちゃけ、最近のフリーのモデリングが良過ぎるので、
なんとも答えがたいところではあります。

ただし、うちのVISTAなどという不評OSでのDAW環境。
DAWソフトのSONARも未だに7などと古いものを使ってると、
結構フリーのヤツは急に落ちたりとか不具合が出ます。
そもそも落ちる以前に起ち上がらないものもあるんで、
安定感は全然違うという印象です。


さて、音のほうです。
残念ながら私は実機を扱ったことがありませんから、
実機との比較のほうは割愛しますが、
実機と似てる/似てないはさておき、かなり使える音がでます。

【ハード】

【クランチ】

【クリーン】

(使用GUITER:HEARTFIELD TALON)
(スピーカーモジュール:4x12 Closed Vintage 1)
(マイキングモジュール:SM57/U87)


感じとしては、マーシャル/ブギー/ソルダーノ/フェンダーの良い所を足して、
そこにさらにモダンなテイストを加えた感じでしょうか。

ハイゲインアンプ的なイメージのアンプですが、
クランチ/クリーンが逸品だと思います。

『このアンプの見た目でブルースをするのか?』というのは、
確かに微妙な部分もあるかと思いますが、
音だけなら、全然ブルースでもいけると思います。

コントロール系の特徴とすると、Depth punchMid Focusedの摘み。
Depth punchは低音のパンチ感を調整し、
Mid Focusedはパライコ的にMIDの摘みでいじれる可変範囲を調整できます。
これがあるおかげで、マーシャル的な音からブギー的な音まで変幻自在。
逆をいうと、ENGLの固有の音ってのは、ちょっと解りにくいかもしれません。

『○○アンプの音が欲しい!!』

といった、具体的な音の希望がない場合、
Amplitube 3のFREE版にENGLシミュだけ購入してしまえば、
ほぼ全てのジャンルに対応でき、DAWで困ることって少ない気がします。

最後に、オケと重ねてみた音源です。
(版権も問題などもありますのでさわりの部分だけですが。)
音作りは全てAmlpitube上で完結させて、
DAWのトラックでローカットとリバーブだけかけてます。




こちらはYOUTUBEで見つけた、
モデリング元の後継機Powerball IIレポ映像。




実機の方も、かなり器用なようです。



(※写真は楽天ショップへのリンクです。)

AmpliTube3 SLO-100のサウンド

2011年06月13日

今回はamplitube3のSOLDANO SLO-100のレビュー記事です。

SOLDANO SLO-100は、amplitube3導入後に、
IKのCustom Shopで追加購入するアンプモジュールになります。

パッケージ版には最初から入ってるアンプモジュールですが、
FREE版では有料追加モジュールになります。


【※追記】
パッケージ版には入ってるモジュールと認識してたのですが、
どうやら、パッケージ版でも追加で買わないと入らないようです。
(メタボーさん、ご指摘ありがとうございました。)

これ、実際は先月に追加購入していたのですが、
今月に入って、メーカーお勧めの組合せとなる、
MESA/Boogieのスピーカーモジュールも買いましたので、
レビューの方をしてみたいと思います。

先ずはサンプル音源。

■歪系サウンド
amplitube SLO-100 セッティング OD



■クリーントーン

amplitube SLO-100 セッティング CL



■クランチ

amplitube SLO-100 セッティング CR




スピーカー/マイキングのセッティングは、
本来、代えた方が良いのでしょうけど、
今回のテストでは、全部の音共通です。

スピーカー/マイク設定

MESA/Boogieの4×12のスピーカーモジュールを使い、
スピーカーエッジにMD-421を立てたのを基準にして、
センターに立てたSM57で、ハイ域を補正する感じです。

アンビエント設定は、広がりは少なめのAmp Closetに設定して、
DAWのトラックにSENDエフェクトとして軽くリバーブをかけてます。
(アンビエントを増やすより、こっちの方が具合が良かったので。)


今まで、PODやらZOOM、そしてVOX amplugと、
結構な数のソルダーノシミュを使いましたが、
キラキラした高域と腹に響く重低音は、
他のシミュと比べて少し弱いので、派手さは控えめという印象です。
(もしかすると、私のマイキング設定が下手なのかもしれませんが。)
その為、感じとするとドライ寄りのマーシャルっぽい音です。

ただ、PODのソルダーノシミュはミッドが弱く基本ドンシャリ。
ZOOM PS-04はデジタル感が強い、
VOX amplugはTONEとGAIN以外にいじれるものがない。

そういう部分も含め、総合的に考えると、
今まで私が使った事があるソルダーノシミュの中では、
一番出来が良いように思いました。


ここまで、あくまでもギターリスト視点での感想です。
私は、ギターリストが持ってるアンプのイメージと
エンジニアが持ってるアンプのイメージってのは違うと考えてます。

エンジニアの方は、勿論の事ながら、
マイキングやミックスも含めての音作りをしますが、
ギターリストって、マイキングのポジションに耳を持っていって
音を聞く機会ってあまりありません。

練習の時は、スピーカー上から音を聞くことが多いでしょうし、
演奏する時は、スピーカーから離れて音を聞くことが多いです。
なので、私もそうなのですが、 『箱鳴り』や『反響音』などの音に、
アンプのサウンドイメージが偏ってる気がします。

その辺を考慮すると、amplitube3のSLO-100モデリングについては、
先に派手さはないと記しましたが、
PAを通すとこういう音かな?という印象の音でしょうか。


90年代にエリック・クラプトンや
エディ・ヴァン・ヘイレンが使用して話題になったSLO-100ですが、
今では実機は滅多に店頭に並んでるところを見る機会がありません。

今回、実機との比較などもできればよかったのですが、
残念なことに、私も実機は扱ったことがないので、
その辺はテスト音源を参考にしてもらえれば幸いです。

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