L.R.Baggs Anthemのボリュームコントロール

2023年05月01日


ピックアップのボリュームコントロールをいじった際、
ボリュームを下げると音が少しモッサリする気がしたので
スペクトラムアナライザを使用して検証しました。

img-230501_01.jpg
(※上記画像はイメージ画像として撮ったもので、
今回の検証時の設定ではありません。)

今回の検証はピエゾ側の設定でしてます。
ピエゾの方がマイクよりも癖がないので
スペクトラムアナライザが横並びで見やすいです。

■ボリュームMAXの音
img-230501_02_100.jpg




■ボリューム約20%の音
img-230501_03_20.jpg




ボリュームコントロールをいじってるので、
当然音量レベルも上下しますが
あくまでも「音質」の検証なので
音量は録音後にノーマライズして合わせてます。

弾いてるのが私なので多少のブレはあるかと思いますが、
結果としてボリュームを下げていくと、
100hz以下の低域が出てくる傾向が確認できました。

img-230501_04.jpg
スペクトラムアナライザーの画像を重ねたもの。
薄い色にしてる方がボリュームMAX時の計測値。


上記にアップした結果以外にも、
70%〜50%と段階に別けて計測しましたが、
ボリュームを下げた際に
高域側から徐々に減衰していくというよりは、
100hz以上の帯域は一定して下がるような感じです。

この仕様については、
音量を下げた際の迫力不足を
あえて低域を上げる事で補ってるのか
それともエレキギターのボリューム回路のように
回路自体がパッシブなのかは解りません。

ただ結果としてこういう特性なので、
逆手にとって音作りに利用する事も可能ですし、
反対に演奏中の極端なボリュームの変更は、
出音が変ってしまうので気を付けた方が良さそうです。

img-230501_05.jpg

今回検証に使用したのはAnthem StageProです。
同シリーズの無印AnthemやSLも同様である気はしますが、
その辺は検証できるものが手元にないので
もし検証した方が居られましたら、
コメント欄にでも書いていただけますと嬉しいです。



[関連記事]
L.R.Baggs Anthemのマイクゲイン調整
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L.R.Baggs Anthemのマイクゲイン調整

2023年04月25日


先日スタジオで音を出した際に、
ピックアタックの音が
出すぎてるのが気になりました。



気になってるのは
キャンキャンと鳴ってる耳障りな部分。

問題の部分はピックアップのバランスを
ピエゾ側に設定すると拾わない事から
原因は恐らくマイクっぽい。

気になってる音の周波数を
EQで下げるという手もありますが、
それは根本的な解決ではないと思うので、
マイクゲインの設定を見直しました。

img-230425.jpg

付属の専用工具もしくは精密ドライバーでいじる
ネジ型のコントローラーの部分です。

通常のAnthemやSLだと
サウンドホールのコントローラ部分に付いてますが、
StageProは電池ボックスを開けた中に付いてます。


問題のピックアタックの音を確認するため、
マイク全振り設定での出音を
スペクトラムアナライザにて計測。

img-230425_02_before.jpg

私が使ってるRMEのアナライザ
これ以上表示を細かくは出来ないので
大まかな計測ではありますが、
上記画像の4khzか6.3khz辺りのどちらかと推定。

先ずはマイクゲインを限界まで下げてみます。

■マイクゲイン MIN

img-230425_03_min.jpg

マイクゲインを下げると、
マイクが拾ってる周波数帯が全体的に下がります。

Anthemのマイクが受け持つ帯域は、
公式で250hz以上とアナウンスされてますが、
800hz以下はマイクゲインを下げても
あまり変化しませんでしたので、
実際はその辺から上の帯域を拾ってるのでしょうか。

ゲインを下げると耳障りだった部分も
少しはレベルが下がりはしましたが、
結果はそこだけぽっこりと突き出す形に。

出音を聞いてもやはり
耳障りな部分が余計に目立って厳しい。


次にマイクゲインを上げてみます。

■マイクゲイン MAX

img-230425_04_max.jpg

どうやらレベルが頭打ちになるようで、
ゲインを上げると出すぎてた周波数帯に対して、
周囲の周波数帯が追いついてくる。
コンプが付いてるのかそれとも若干歪んでるのか。

いずれにせよ耳障りだったピックアタック音は
これですこし目立たなくなりました。




このAnthemのマイクゲインの設定については、
私は取付けたばかりの頃に、
思った以上にピエゾの音が強い印象だったので、
早々とをいじってしまってましたが、
出荷時の状態がメーカーが推奨する位置という話を
どこかで見かけた記憶もあります。
(※真偽は分かりません)

その為今回はゲインの上げすぎが
問題なのではとばかり思ってたので、
逆にゲインを更に上げて問題が緩和されたのが
実は少し腑に落ちない部分だったりしてます。

「誰か正解を教えてくれ」と言いたい気分ですが、
とりあえずは解決です。

[関連記事]
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L.R.Baggs Anthem StageProのEQ設定

2023年04月17日

L.R.Baggs Anthem StageProは、
Anthem(ピックアップ)に手元で音作りできる
簡易的なコントローラーが付いたモデルです。

img-230417-01.jpg

EQはBASSとTREBLEの二種類が付いてます。

これにより通常のAnthemよりも
多少は音作りの幅があるのですが、
先日ライブをしたときにPAさんから
「中域を上げれませんか?」と言われ、
この二種類のEQだとどうしようもなくて困ったので、
BASSとTREBLEが受け持つ帯域を確認しておこうと、
スペクトラムアナライザーで計測しました。


計測結果

BASS:200hz以下
TREBLE:2khz以上


どちらを動かしても中域への影響はほぼなしでした。
故に中域を出したいときは
両方のスライダーを下げれば大丈夫です。

正直800hzあたりがBASSとTREBLEの境になってると
勝手に思い込んでたので意外でした。


センター位置がフラットではない

Anthem StageProのEQのスライダーは、
一般的なEQと同様にセンター位置で合わせると
カチッと音がして止まります。
通常のEQはそれがフラット位置なので、
これもセンターがフラットと認識してましたが、
実際の出音を計測するとドンシャリ気味でした。

取付けたギターや取付け方法によっての
差異もあるのかなという気もしますが、
今取付けてるギターの生音が
ドンシャリ傾向という事はないので、
コントローラーの回路側の癖が強い気がします。


計測時の画像と音源

解放弦で計測した方が分かりやすい気がしたので、
オープンGのストロークで計測。
チューニングが適当なのはご容赦を。

結果としてはBASS / TREBLEの両方を
全カット位置でフラット気味の出音になりました。
回路図が出回ってるわけではないので、
電気的にはどうなってるのかは分かりませんが、
EQというよりはブースターと考えた方が良さそう。

[EQセンター位置]
img-230417-02.jpg




[EQ全カット]
img-230417-03.jpg



こうして視覚化して比較すると、
やはりセンター位置設定は
中々ドンシャリなサウンドです。

PCモニターや携帯で聞いた場合においては、
前者のドンシャリサウンドの方がブライトな音なので、
好みだという方もいるかもしれません。

私も練習時等の低音量での使用だと
自分の耳にはギターからの生音とラインの音の両方が
ブレンドされて届いてる事もあり、
このドンシャリ感が逆に気持ちよかったりして、
「良いピックアップは違うな」ぐらいに思ってました。

ともあれ今までセンター位置のEQを基準に音作りしてて、
どうにも腑に落ちないところがありましたが
これでようやくスッキリいたしました。

Anthem StageProを使われてる方はご参考まで。


※追記(2023/04/25)
img-230417_sup.jpg
マニュアルを確認してみたら、
電気的には一応EQとして機能してるようです。

BASSのEQは実測では200hzあたりから効いてましたが
80hzが中心周波数っぽい。


[関連記事]
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木製ブリッジピン(ローズウッド)

2023年02月27日

ライブ用に使用してるエレアコで、
以前演出用にコーティング弦を使った際に
音が明瞭になりすぎて硬質な印象だったので、
ブリッジピンを水牛骨から木製に変更しました。

使用したのはSUCD社のローズウッドのもの。
径が太すぎたので削るのに苦労しました
ようやく取付けできました。

img-230227.jpg

あえてエボニーではなくローズウッドを選んだ理由は、
ローズウッドの方が若干軽量である事と、
使ってるギターのブリッジ素材と同じ材なので
音響特性がブリッジと近いであろう事。
もしブリッジがエボニー製ならエボニーにしてます。

今回の変更前に着けておりました
水牛骨のピンの方が価格的には高価なので、
感覚的にはデチューンのようなイメージではありますが、
結果としては正解だったかなと思ってます。

■水牛骨(変更前)


■変更後(ローズウッド)


サンプルの録音はコンデンサ立てて録った方が
違いが出やすいのではないかとは思いましたが、
あくまでエレアコは生音よりも出音重視なので、
今回はピックアップの出力から撮ってます。
セッティングはDIを通して
オーディオI/Fの入力に入れただけです。

偶にシールドがボディに当たる音を
拾ってしまってますがご容赦を。


変更後は僅かではありますが、
倍音成分が増え暖かみのあるサウンド寄りに変化。
あと出すぎてた低域が軽減されて
音のバランスが良くなった印象です。

私のギターはブリッジ及びナット材を
TASQ製に変えてたので、
そこに骨角材のブリッジピンは、
少々やりすぎだったのかなと思いました。

しかしこれで倍音成分が増えた分、
反対に基音は埋もれる方向になってますので、
音の分離感や明瞭度は下がってます。
その為、アコースティックな編成での演奏ではなく、
エレキギターなどと一緒にバンド演奏で使用する場合は
音が埋もれて前に出てくれない可能性はある気がします。

ともあれ私は今は基本は一人で演ってるので、
今回の変更は良い方向に変ったと思ってます。


比較用に一旦デフォルトの
プラスチック製のブリッジピンにも変えてみたので
その音源も参考までに載せておきます。

■プラスチック製(デフォルト)


掲載音源は音量を合わせて均一にしてますが、
骨角系のブリッジピンをしばらく使ってると、
生音の音量差に驚く。それぐらい良く鳴ります。
一方、低域のシャープさと中域の太さに欠けますが、
落ち着いたアルペジオ系の楽曲等には
良く合いそうな気がしました。

安っぽい印象があってついつい変えたくなりますが、
プラスチックはプラスチックの良さがあります。
鳴りと言う観点であれば軽さは正義です。


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ピックガード裏に接着したスイッチのメインテナンス

2023年01月11日

ピックガード裏に貼りつけてたスイッチが陥没しました。
フロント/リアのミックスが出せるように増設したスイッチです。

img230111_01.jpg
スイッチ付のポットでも良かったのですが、
旧ジェフベックモデルの容姿に憧れてあえてこうしました。

こんなスイッチを付けてる方がどれだけいるかわからないので、
記事内容に需要があるかどうか不安ではありますが、
今回は修理工程の紹介です。

img230111_02.jpg
とりあえず分解します。

私も以前ブログ仲間のギターリストの方から教わったのですが
緩めた弦をカポで固定してブリッジを外すと、
弦を外さなくてもストラトのピックガードは取り外せます。

img230111_03.jpg
ピックガードを裏返すと見事に接着がはずれてます。
このまま再接着しても良いのですが、
それだと強度的に不安なので少し手を加えます。

img230111_04.jpg
先ずは古い接着剤のバリ取り。
工作用ニッパーではみ出たところを切りました。

img230111_05.jpg
次に接着面のヤスリがけ。 面を荒く削ることで、
今回使う接着剤の食い付きを良くしようという目論見。
可能であれば以前の接着剤がなくなるまでヤスリがけした方が良いですが、
それはちょっと大変なので今回は見送りました。

img230111_06.jpg
接着先のピックガードの方もヤスリがけ。
こっちは前の接着剤の固まりが残ってると、
接着面が浮き接着が弱くなる可能性があるので、
ゴリゴリと金ヤスリで面出ししました。

img230111_07.jpg
濡れティッシュで削りカスを拭き取ります。
カスが残ってるとそこから剥がれますので結構大事です。

いよいよ接着。
用意した道具はこちら。

img230111_08.jpg
どれも100均で入手できるものです。
グルーガンはセリアが取扱いをやめたみたいなので、
100均で欲しい方は今はダイソー1択です。(2023/01現在)

img230111_09.jpg
接着剤はこれを使いました。
ヤスリがけはしてるものの、
多少凹凸を残して接着剤の食い付きを良くするため、
あえて番手の荒いヤスリでけずってるのでゼリー状の物を使用。

img230111_10.jpg
接着剤はムニッとはみ出すぐらい付けた方が良いのですが、
スイッチ側(内側)にはみ出すとスイッチの可動部分が接着されるので、
外側だけ多めに盛ります。

img230111_11.jpg
これだけだと数か月後なのか数年後には、
また接着剤が劣化してきて外れる可能性が高いのでグルーガンの出番です。

img230111_12.jpg
見えない部分なので多少ラフではありますが、
もりっと周囲を固定しました。

これで、よほど荒くスイッチを扱わない限りは、
しばらく外れる事はないんじゃないかと思います。

img230111_13.jpg
復活です。
安心してスイッチを押せます。

私のスイッチは以前ギターショップにお願いして加工してもらったものです。
本家の旧ジェフベックモデルのスイッチがどういった付き方をして
どの程度強度があるのかは不明ですが、
このタイプのスイッチは概ね裏面から
接着してあると思いますので参考になれば幸いです。


どうでも良い話ですが、
ストラトのフロント/リアのミックスの音って、
「レインボートーン」って呼称があるんですね。
昔からなのか最近言われ始めたのかは解りません。

以前Twitterにクリスタルクリーンって何?って話も呟きましたが、
そういうのかなり疎いです。

エンドピンジャックへのストラップの取付け

2022年12月10日


エレアコのエンドピンジャックへのストラップの取り付けに、
RightOn!STRAPSのEND PIN JACK STRAPLINKを使ってます。

エンドピンジャックは通常のエンドピンよりも径が大きいため、
ストラップ側の取付穴を広げて取付けてる方が多い気もしますが、
そこは多少経費がかかってもストラップの寿命が延びた方が嬉しいので。

img221210-01.jpg

先日END PIN JACK STRAPLINKの2代目が壊れたので3代目を購入。
もう長い事使ってますが、無理にストラップを取付ける必要が
なくなるので結構お勧めです。

ただハンドメイドらしいので品質に個体差はあるかもしれません。

img221210-02.jpg

最初の1代目は5年使ってトラブルはありませんでしたが、
今回壊れた2代目は半年ほどで金具部分が崩壊しました。
もしかしたら使い方が悪かったのかもしれませんけれど。


img221210-03.jpg

新たに購入した3代目取り付け後。
こんな感じで取り付けます。
(※赤いゴム製のストラップロックは付属品ではないです。)


他にエンドピンジャックへのストラップ取付け用の商品は
有名なものだとD'AddarioのCinch Fit Acoustic Jack Lockがありますが、
こちらは取り付け部分が樹脂製なので、
ステージでガシガシ使う私みたいなタイプだと
エンドピンに負荷をかけすぎてしまいそうな気がして、
今はこれに落ち着いてます。

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UVライトで光るギター弦[DR NEON]

2022年11月04日

img221102-01.jpg

DR Stringsの弦を買ってみました。
普段使いには値段的に手が出ないのでライブの演出用ですが、
UVライトで発光するものを。

価格は定価で3,000円〜3,500円ぐらい(2022/11月現在)です。
探せば1,500〜2,500円程度で見つかります。
購入したのはアコースティック弦ですがエレキ用もあります。

img221102-02.jpg

UVライトを当てるとこのように光ります。
基本的には色が付いてるだけで、
普通にコーティング弦のようです。

メーカーサイトから解説画像をお借りしてきました。

img221102-03.jpg

■DR STRINGS(正規輸入代理店 キクタニミュージック株式会社)
http://www.kikutani.co.jp/DR/

弦自体はフォスファーブロンズのようで、
私が普段D'Addarioのフォスファーブロンズを使ってる事もあり、
コーディング弦特有の感じはあるものの
音的に極端な違いは感じませんでした。

比較するものがないので分かりにくいとは思いますが、
サンプル音源です。
コンデンサマイクで生音を録りました。



タッチは顔料のせいなのか、
若干ざらつきを感じる気はしましたが、
ブラシーボの疑いもあるぐらい微妙なところ。
個人的には通常のコーティング弦の
艶々したタッチが苦手なのでDR NEONの方が好みです。

弦の太さがライトゲージなのに、
下が0.52ではなく0.54なのが気にはなりました。
故にテンションの違いはあるとは思いますが、
いざ張ってしまえば私は特に気になる事もなかったです。

あとこれは面白いなと思ったのが、
色が着いてるのでコーディングの剥がれが一目で解る事。

img221102-04.jpg

ライブ前のリハとライブで、3~4時間使用でこんな感じです。
巻き弦はしっかり定着してますが、
一番太いプレーン弦である2弦は剥がれやすいみたいです。
写真には撮ってませんが指板側の方も
2弦のみフレットに当たる部分が剥がれ始めてます。
恐らくですが一般的なコーディング弦も
こんな剥がれ方をしてるんじゃないかと思います。

そもそもコーティング弦の音は好きではないのですが、
ライブの演出上欲しいときは演奏性も音質的にも
トレードオフできる許容範囲内だったので、
必要な時はまた買おうかと思ってます。


今回買ったものはピンクのアコースティック弦で、
Amazonや楽天で検索したら売られておりますが、
マルチカラー(6色)以外の弦は輸入元の公式サイトに表記されてないので、
恐らく並行輸入とかそういった流れで仕入れられてるものと思われます。

今回実はピンクではなく別の色を発注してたんですが、
その為か2か月経っても未だに「発送準備中」になっており、
ライブに間に合うよう慌てて在庫のある色を買い直しました。
マルチカラー以外の色は、急いで必要な場合は
在庫があるものを選んで買った方が良さそうです。
(※結局先に発注してたものはライブが終わってから届きました。)

ブリッジピンの交換(水牛角→水牛骨)

2022年09月21日


少し前にブリッジピンを購入してたのですが、
以前から使ってるブリッジピンと
同一メーカー/同一サイズだったので 問題ないだろうと思いきや
若干大きくて今まで取付けられずおりました。

0.1mm単位の精度は中々難しいのかなという気もしますし、
メーカーも小さいとどうしようもないので、
余裕を持たせて若干大きめに作ってるのかもしれません。

img-220921_02.jpg

ヤスリで地道に削ってサイズ合わせ。
100均などでも売ってる薄手のスポンジヤスリが
紙ヤスリよりもフィットさせやすくて便利です。

そしてようやく取付け。

img-220921_01.jpg

素材は今まで使ってたのが水牛角製、
今回変更したのは水牛骨製です。

何故に牛骨ではなく水牛骨なのかというと、
以前ナット/ブリッジ交換の記事でも軽く触れましたが、
狂牛病問題以降、牛骨は質が悪い事が多いそうです。
お世話になってるリペアマンの方からアドバイス頂きました。


【水牛骨/角比較】
■硬さ
情報元によって 同等と書かれてたり
角の方が柔らかいと書かれてたりで調べがつきませんでした。
イメージですが水牛の角はタンパク質で骨はカルシウムなので、
若干角の方が柔いのかなという気もします。

■重さ
比較は水牛角よりも水牛骨の方が重いです。
水牛角が4.39g、水牛骨が6.73gでした。

img-220921_03.jpg

img-220921_04.jpg

前記の牛骨の質の話もあるので
通常の牛骨との重量比較もできたら良かったですが、
手持ちに牛骨のブリッジピンがないので断念。

■音質

水牛角→水牛骨の交換後の音は、
重量が増える分若干鳴りが抑えられ、
逆に音の分離感などは良くなった気がします。
単音弾きの音の太さは水牛骨の方が上
という印象でした。
ただデフォルトの樹脂製から交換した時ほどの違いは出ておらず、
言われてみればそうかもぐらいの変化です。

ブリッジピン交換の比較音源は
変化が微妙すぎる事もありますし
また他のサイトでもよく見かけるので
今回は作りませんでした。


【まとめ】
音質の方向性としてはどちらも近いものがあるので、
正直どっちもどっちなところもあるのですが、
個人的には単音弾きの音の太さよりも、
ストローク時の音を塊として出したいって気持ちもあって、
もしかすると変更前の水牛角の方が
私には合ってたのかなとも考えてます。

なので今後は水牛角に戻すかもしれませんが、
しばらくは水牛骨の音を楽しむつもりです。

どちらが良い/悪いではないので、
樹脂製のブリッジピンが付いてるギターの
アップデートパーツとしては
水牛角も水牛骨も共にお勧め出来る素材だと思います。





同一素材でもっと安いパーツもありますが、
最近はBirdlandさんのパーツを好んで使ってます。
中々質が良くってお気に入りです。

またブリッジピン購入の際はサイズにご注意を。
ブラスなど削り難い素材のブリッジピンは
加工してのサイズ調整が難しいですし、
素材に関わらず小さすぎるとどうしようもありませんので。


ヘッドの軽量化によるサウンドの変化

2022年09月13日


エレアコのヘッドを軽量化します。
理由としては三つ。

・ヘッド落ちの緩和
・鳴りの改善
・音質の調整

また軽量化の効果については、
こちらのサイトが解りやすかったのでリンクを貼っておきます。

■ヘッドの役割/ペグの種類と交換について(エレキギター博士)
https://guitar-hakase.com/10183/
(※リンク先3項目目の「ヘッドとサウンドの関係は?」あたり)

軽量化するといっても
流石にヘッドを削るわけにはいかないので、
ペグを軽量のものに交換しようかと悩んでおりましたが、
とりあえず様子見としてペグボタンを変更することに。

これなら、失敗しても後戻り出来ますし、
これで音の方向性が見えてもっと軽量化したくなれば、
更に軽くなるようペグ交換にも踏み切れます。

今回軽量化するギターはYAMAHA CPX-7です。
(最近アコギばかり使ってるので、
毎回記事に登場するのがの同じギターばかりで申し訳ない。)

CPXはハウリング対策で鳴りは殺す方向性で
作られてるなという印象でしたが、
今後も爆音で演奏する予定等はないし、
もう少し鳴るようにしてあげても良い気がしました。
自分の演奏環境に合わせてカスタマイズするイメージです。

期待通りであればサスティーンについては若干減るものの
倍音/鳴りがアップしてくれるんじゃないかという狙い。

img220913_01.jpg

ここに至るまでの諸トラブルも乗り越え、
最終的に準備できたのは木製(エボニー)のペグボタン。

元のペグボタンが78.67g、
準備したペグボタンは13.3g。
重量差は65.37gでした。

img220913_02.jpg
元のペグボタン

img220913_03.jpg
木製(エボニー)のペグボタン

ヘッドの重量化パーツであるファットフィンガーが100gなので、
それなりに効果が出そうな重量差です。

そして交換。
サンプル音源はラインの音では差が出にくいんじゃないかと判断し、
コンデンサマイクを立てて生音を録音してます。

■ヘッド軽量化前


■ヘッド軽量化後


微妙な差ではありますがローとハイの出方が変わりました。
私的には狙ってた変化通りで
結構気に入ってますがいかがでしょうか。

ペグボタンはドレスアップパーツを謳って売られてる事が多いですが、
重量差を利用して音作りに利用できますし、
逆に今の状態の音が気に入ってるギターの
ペグボタンを交換するのであれば、
元のパーツと交換パーツの重量を合わせて交換しないと
音が変わるので注意が必要だと思います。

img220913_04.jpg


もちろん見た目も、
いかにも「いじってるぜ!」って感じになります。
ヘッド落ちも緩和されて良い感じです。



L.R.Baggs Anthem StageProレビュー(サウンド編)

2022年09月05日


ピックアップ交換の記事の続きです。

■前回記事[L.R.Baggs Anthem StageProレビュー(導入編)]
http://shima-sound.seesaa.net/article/491207574.html

今回ピックアップを交換したYAMAHA CPX-7は、
90年代発売のモデルですので、
ザ・エレアコといった感じの
ギターの生音とはかけ離れた音でしたが、
これで今のモデルとも十分戦える音になりました。
逆にブリブリ感あふれる
古き良きピエゾサウンドとはお別れになります。

img220905.jpg

【比較用音源】
■YAMAHA純正アンダーサドルピエゾ

(※以前修理でアンダーサドルのパーツを
新品に交換した時に録ったもの)

■L.R.Baggs Anthem StagePro(換装後)


どちらもDIを通してオーディオI/Fに入れただけです。

アンダーサドルピエゾの分離感/太さを残しつつ
エアー感が追加されるイメージのサウンドになりました。
今の私のプレイスタイルはストロークメインなので
この音はかなり相性が良さそうです。

Anthemはプロの方も多く使われてますし
とりあえず迷ったらこれを付けてれば
間違いないような気もしますが
叩き系の方等にもマッチするかというと
ボディヒットは「とりあえず拾う」程度なので
少し難しい気も致します。

なので導入する場合は
よく検討してから導入した方が良さそうです。
特にStageProはギターに穴をあける為、
取付後は後戻りが出来ませんので。

今回、ピックアップ代に取付け代含めたら、
結構な出費を伴う大改造ではありました。

正直、その金額を出せるのであれば、
最新のミドルクラス以上のモデルのギターを買った方が
良い音は出るかもしれませんが、
長年付き添ってきたギターとお別れするのが嫌だったのもあって、
まだ戦える音になってくれたのが良かったです。

以上、L.R.Baggs Anthem StageProのレビューでした。



[関連記事]
L.R.Baggs Anthemのボリュームコントロール
L.R.Baggs Anthemのマイクゲイン調整
L.R.Baggs Anthem StageProのEQ設定
L.R.Baggs Anthem StageProレビュー(導入編)